[07]自分に合う弁護士の探し方

 

平成25年12月11日

弁護士   藤 野  恵 介

答え

相見積をおすすめします。

1 専門性というもの

依頼する際に,弁護士の経験及びそこからくる専門性が重要であることは間違いありません。

しかし,これらの判断は容易ではありません。弁護士によっては「交通事故専門」「刑事事件専門」「過払金返還専門」などと標榜している場合がありますが,医者でいう小児科や耳鼻咽喉科と同様,弁護士の専門性というのは全て「自称」に過ぎません。先に挙げた交通事故,刑事事件及び過払金返還についていえば,弁護士であれば,誰でも取り扱っている分野といえます。当然ながら,同じような事件を多くこなしていれば慣れてきますし,それは重要なことです。また,特別に勉強していなければどうすることもできない分野もあります。ただし,あくまでも専門性とはそういうものだと依頼者側も認識しておく必要があるでしょう。

2 何を基準にするか

弁護士の実力を判断するのが困難である以上,人柄で選ぶより他にないように思います。自分の話を真摯に聞いてくれるかを重視すればよいでしょう。これならば自分で判断できます。一度依頼すると,弁護士との意思疎通は必須です。方針決定,方針変更及び最終判断の際に相談できて,それについて丁寧に説明してくれる弁護士を見つけてください。話しづらい弁護士に対しては、電話を掛けることすら億劫になります。逆に,きちんと話を聞いてもらえれば,それだけで悩みが解消されることも多々あります。

3 費用

弁護士に依頼する際の費用については別の機会に述べますが,費用の額に応じて自分に割り当てられる時間が決まってくることは覚悟する必要があります。弁護士も経営者である以上,仕方のないことだと思います。したがって,あまり値切りすぎることはおすすめできません。

4 どうやって探すか

弁護士会に電話すれば,相談内容に応じて相談日を予約できたり,弁護士を紹介してもらったりすることができます。紹介料自体は無料です。ただし,紹介された弁護士に相談した段階で,相談料はかかります。また,ホームページを作っている弁護士も多数います。そこから事務所の雰囲気を感じて連絡してみるのもよいでしょう。

5 相見積のすすめ

費用のみでなく,方針についても弁護士によって様々です。そこで,相談料は覚悟して,複数の弁護士に相談し,方針及び費用について見積を示してもらってください。その時点で嫌な顔をするような弁護士は,その時点で候補から外してしまいましょう。相談料を出し惜しむのではなく,そこは必要な出費と割り切って,より話しやすい弁護士に出会うことが重要です。

※なお,ここでの記述は,あくまでも私個人の意見ですので,その点,ご了解ください。