[24]弁護士業界独特の慣習は?

平成27年05月20日

弁護士   藤 野  恵 介

答え 事務所開きという慣習があります。

1 はじめに

今回は、余談です。弁護士を身近に感じていただければと思います。また、あくまでも私の所属する大阪弁護士会のお話ですので、その点はご了解ください。

2 事務所開き

多くの弁護士は、事務所開設時に小宴を催します。主催者は、事務所を片付け、近所の店から出前をとり、冷蔵庫で飲み物を冷やしながら訪問客を待ちます。そもそもこの小宴は、先輩弁護士から独立直後で仕事のない弁護士に対して、御祝儀という形でカンパする意味合いの内輪の催しです。したがって、場の雰囲気は極めて和やかで、先輩弁護士や同期の弁護士が軽食をつまみながら酒を酌み交わし、ざっくばらんに話をしながら過ごします。開催時間は、午後2時頃から午後8時頃までとされることが一般的ですが、知らず知らず長丁場になります。

3 時代の変化

ひと昔前は、新人弁護士は先輩のもとで勤務弁護士として給料をもらいながら事務所開設資金を貯め、3年から5年後に独立するという形が多かったようです。しかし、最近は、新規登録する弁護士の人数が増え、事務所に就職せずに即時に独立する新人弁護士が増えています。即時に独立せずに一旦は就職しても、3年も経たないうちに独立する弁護士も増えています。これまでのように弁護士登録から事務所開きまでに3年以上かかっていた時代には、事務所開きまでに先輩弁護士との間に人脈が形成され、その人脈により先輩弁護士が激励に訪れてくれていましたが、弁護士登録後間もなく事務所開きをするようになれば、そのような人脈も形成されないうちに事務所開きすることになります。近い将来、気さくな先輩が激励に訪れるという古き良き慣習はなくなっていくのかもしれません。

4 私の話

私事で恐縮ですが、これまで弊事務所に籍をおきながら独立採算で働いてきましたが、弊事務所を経営していた弁護士が高齢のため引退したため、事務所自体を引き継ぐことになりました。これに伴い、新たに弁護士2名を共同経営者として招き入れました。1名は元検察官検事正で、退官後に公証人も勤めあげた弁護士です。もう1名は、女性弁護士です。これまで以上に柔軟な対応が可能になったと自負しています。今後とも、宜しくお願い申し上げます。

5 私の事務所開き

慣習に違わず事務所開きも予定していますが、前記のとおり、小宴自体は内輪のものですので、とてもお見せできるものではありません。拙稿をご覧の皆様におかれましては、小宴の日時と関わりなく、お近くにお寄りの際に、気軽に足を運んでいただければ幸いです。

※なお,ここでの記述は,あくまでも私個人の意見ですので,その点,ご了解ください。

 

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