平成28年10月25日
弁護士 藤 野 恵 介
答え 弁護士会館が中心です。
1 アクセス
市役所等での法律相談を担当することがあります。場所によっては,当日の午前中に予約受付を開始して午後の相談枠が埋まってしまうこともあるようです。このような状況をみると,やはり,まだまだ弁護士が相談を受ける環境が整っていないのだと実感します。これは,相談者からすれば相談できる場所がないという意味で不幸な状況ですし,弁護士からしても貴重な受任の機会を逃しているという意味で不幸な状況です。
2 法律相談所
一番大きな法律相談所は弁護士会です。弁護士会では,毎日法律相談会を実施しています。次に大きいのが各自治体の法律相談会です。各自治体では,週に1日,弁護士が担当する法律相談日を設けています。
3 個人相談会
営業の一環として,弁護士個人で法律相談会を実施することもあります。その場合,何らかのセミナーを実施し,その後の時間を法律相談会にあてていることが多いように思います。
4 顧問先相談
そのほか,顧問先で定期的に法律相談会を実施している弁護士もいます。顧問先の従業員やその家族の相談を顧問先の一室を借りて実施するものです。
5 ネット相談
ホームページを作成し,そこで法律相談を受け付けている弁護士もいます。弁護士ドットコムというサイトをご存じでしょうか。私は参加していませんが,インターネットを通じて弁護士に相談できる場として,少しずつ認知されてきているようです。
6 相談会の意義
法律相談会というのは,相談者としては弁護士に相談できる機会ですし,弁護士にとっては事件を受任できる機会でもありますので,お互いにとって有益な場なのだと思います。私の知る限り,弁護士は事件を解決したいと思っています。たとえ正式な受任に至らなくとも,解決の助けになることに喜びを感じています。たしかに,受任できれば着手金も頂けるわけですが,受任するまでもなく解決できれば,それはそれで良いと考えています。
7 よく聞く言葉
これまで当コラムでも述べてきたとおり,相談者から「こんなしょうもないことで相談して申し訳ない」という言葉をよく聞きます。前述のとおり,弁護士からすれば,しょうもないことであれ解決への助言ができればそこに喜びを感じます。逆に,しょうもないことであれ,弁護士にはいかんともしがたい相談であった場合,無力感を感じます。
8 私の話
相談を受ける機会を増やそうと考えています。手始めに,通っている美容室や喫茶店で気軽に法律相談を受けられる場を設けることにしました。当コラム読者の方からの法律相談を無料にしているのもその一環です。是非ご利用ください。
※なお,ここでの記述は,あくまでも私個人の意見ですので,その点,ご了解ください。
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